雑 賀 衆 感
ここでは、さまざまな雑賀衆や雑賀孫市に対する想いを書いていきます。まずは、作家の「雑賀衆」感や「孫市」感を少しずつ紹介して行きましょう。

紹介文一覧  クリックすれば飛べます(^0^)/
○「さいか」という読み    
○風雲の中を駆けぬけていった  神坂次郎氏
○海流のような自由人      二宮隆雄氏
○あいつは誰だ?        童門冬二氏
○まことに不思議な人々!    鈴木真哉氏


「さいか」という読み    
雑賀衆の雑賀は地名です。
雑賀衆が活躍していた戦国時代には、現在の和歌山市の
ほぼ全域に海南市の一部を加えた地域が雑賀でした。今
では、雑賀町、雑賀屋町、雑賀崎などいくつかの小地名
として名残りを残すのみになっています。

これらは、すべて「サイカ」と澄んで呼ばれています。
すなわち、さいかまち,さいかやまち,さいかざきです。
戦国の当時も雑賀を「サイカ」と呼んでいたようです。

当時の公家衆の日記などでも、「サイカ」となっていました。宣教師ルイス・フロイスも著書で「Saica」と書いて「ga」でなく「ca」と澄んで書いています。

天正十年(一五八二)、孫一と土橋の雑賀での紛争の噂に正親町天皇と誠仁親王らが出した手紙が残っています。これは、仰せを女官が仮名で書いた書状だから「サイカ」と澄んで呼ばれていた明確な証(あかし)です。

さいかにてけんくわ(喧嘩)のよし」

雑賀衆ファンであるみなさま(^0^)/
是非「さいかしゅう」と読んでください(^^ゞポリポリ
「さいかしゅう」と読んでほしい BY:孫八


風雲の中を駆けぬけていった    神坂次郎氏
余談になるが、十五世紀のイタリアの戦国史のなかに、
コレオーニ(きんたま)という滑稽な姓をもつ傭兵隊長が
いた。稼業を戦争の請負とするコレオーニの行状は痛快
で、かれの行くところ常にその紋章である赤と白の地に
三つの金玉を染めぬいた旗じるしがひるがえり、おかげ
でイタリアの戦場は、その三つ金玉のため半世紀にわた
ってさんざんに引っ掻きまわされるのである。

そんな痛快な男が、戦国のころの日本にもいる。
鉄砲をとっては天下無敵、戦さをするのが愉しくて堪ら
ないといった顔つきで、織田信長の荒肝をひしいで風雲
の中を駆けぬけていった紀州雑賀衆の鈴木孫市である。
稼業はコレオーニと同じ戦争の請負で、そのうえ家紋の
三本足の熊野鴉の旗じるしまでが、どことなくコレオー
ニに似ているような気がする。
「海の伽椰琴〜雑賀鉄砲衆がゆく〜」より


海流のような自由人    二宮隆雄氏
中国あるいは南方からの海流は、まず九州北部に当たり、
その一部が薩摩沖に流れ、さらに四国土佐沖をかすめて
紀州に達する。海流の漂着する土地には、時おり日本人
の類型から逸脱した人物が生まれ出ずることがある。薩
摩の西郷隆盛、土佐の坂本竜馬などがその例であろう。

同じ海流が紀州にも流れて雑賀孫市を誕生せしめた。
信長に徹底抗戦した孫市という人物を、海というフィル
ターを通して見ると、孫市の主持ちを嫌う倣岸な性格、
奔放不覊で女好きなその人物像は、海に生きる男に共通
した性格でもある。孫市は海流のような自由人であった。
「雑賀孫市〜信長と戦った鉄砲大将〜」より


あいつは誰だ?    童門冬二氏
狙撃兵が撃ち終わった鉄砲を投げ出すと、
後ろにいる兵がすぐに拾って弾込めにかかる。
これが一人ではない。
一挺の鉄砲に二人ないし三人の弾込め役がいた。
信長の目が光った。 (中略)

兵が射撃のために移動しなくてよいのだから、
その分時間のロスがない。
射撃兵と弾込め隊は、それぞれの役割だけを
繰り返せばよいから、作業に習熟するのも早い。

信長はしてやられたと思った。
それだけ受けた傷が余計に痛んだ。
一揆勢の中に、鮮やかに鉄砲隊を指揮する武士がいた。
異様な風体で、信長には見覚えがなかった。
 
「あいつは誰だ?」
痛みをこらえながら信長は傍らに従う者に聞いた。
根来衆(紀伊の根来寺の僧兵を中心とする集団)
の杉の坊という僧が答えた。
 
「雑賀衆の頭目、鈴木孫一です」
「信長−破壊と創造」より


まことに不思議な人々!    鈴木真哉氏
 一読して、お分かりいただけたかと思うが、雑賀衆にしろ、その中核であった鈴木一族にしろ、まことに不思議な人々である。

 普通であれば、この程度の在地勢力は、大勢力の間で右往左往した揚句、簡単に潰されてしまうか、 吸収されてしまうかして終わるのだが、彼らは、天下人と四つに組んで、あわや番狂わせか、というほ どの大勝負を演じてみせた。彼らの活動した期間は、戦国後期の数十年に限られ、まさに光芒一閃、 という感じで消え去ってしまうが、その印象はきわめて強烈である。
「紀州雑賀衆鈴木一族」 あとがきより






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